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事情のある方は生前贈与で相続対策を
法務省は平成30年1月16日、死亡した人(被相続人)の遺産分割で配偶者の優遇を図る民法改正案を同22日召集の通常国会に提出する方針を固めた。その一つとして婚姻期間が長期間の場合に配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居(土地・建物)は原則として遺産分割の計算対象とみなされないことになる。
現行法では生前贈与などがされた住居は被相続人が遺言などで「住居は遺産に含まない」といった意思表示をしていなければ、遺産分割の計算対象となる。そのため、要綱案は、婚姻期間が20年以上であれば、配偶者が生前贈与などで得た住居は「遺産とみなさない」という意思表示があったと推定する規定を民法に加えることとした。(以上 平成30年1月16日配信朝日新聞)
それでは例をあげて説明させて頂きます。
(例)結婚20年以上の夫婦で、夫が3,000万円の預金のみの資産を残して死亡した、自宅(2,000万円)は生前、妻に配偶者控除の特例で生前贈与されていた。相続人は妻と子供の1人で、法律で定められた割合で相続することになりました。
現行法では、遺産分割の際、生前贈与された自宅も遺産に含め計算されます。この例では遺産分割の対象の遺産は総額5,000万円となります。そして法定相続の割合は妻、子供2分の1ずつですから、妻、子供は2,500万円ずつ相続することになります。そうしますと、妻の取り分は生前贈与で自宅を取得していますので、差額の500万円だけとなります。
今回の見直し案では、結婚から20年以上の夫婦に限り、生前贈与(遺言でも可能)された自宅は遺産の総額から場外されることになりましたから、この例では預金の3,000万円のみが遺産分割の対象となり、妻と子供の取り分は1500万円ずつになります。
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